今日だって彼女の笑顔を見ただけで、僕の心臓は今までにないくらい仕事をしていたのに。




ふと、校庭を見ると、女子が高跳びをしていた。

「………(あそこに神納さんがいたらなぁ……)」

そういえばまだ、神納さんのジャージ姿見たことないや。

………神納さんなら、可愛く着こなしてるんだろうなぁ。あ、元々が可愛いか。



「ジャージか……。体育祭になったら、たぶん見れるよね。」

あと二ヶ月後ぐらいだけど。


「………はぁ。」

無意識に、溜め息を吐く。



(神納さん、神納さん……神納さん………



あぁダメだ、どんだけ神納さんが好きなんだ僕。

さすがに気持ち悪いぞ。)









見上げると、空は青く澄みきっていて、白い雲が光っている。

が、それとは対照的に僕の心は黒く濁り切っていた。


(今はまだ、好きという感情で胸が一杯だけれど。)