「―――えっと、」


「…お前は頭もいいが、運動神経も抜群なんだ。
どうだ、運動部に入らないか?」

「………いえ、そういうのは……部活とかは…」

担任に職員室に呼ばれたかと思ったら、何だ部活の話か。

(部活に入ると、神納さんに合わせられないしなー……。)

先生はよっぽど俺を運動部、というか野球部(先生顧問だから)に入れたいらしい。

俺はそれをさっきからやんわり断っているが、中々聞いてくれない。

(………あー……)

面倒だなぁ……。

「別に、勉強頑張ってる訳じゃないんだろ?暇をもて余すくらいなら、うちに入れよ。」

「……確かに勉強はしてませんけど、別に暇じゃありません。部活は必須じゃないでしょう?」

「………まぁ、そうだが。」

毎日神納さんのことで頭一杯で、正直部活なんてやってる暇ない。


そんなこんなで、先生と(かなり一方的だけど)話していると、職員室のドアがいきなりガラッと開いた。


「……来たな、神納。」


「っ!?」

え、神納さんっ!?

驚いて振り返ると、そこには確かにあの神納さんがいた。

(もしかして、神納さんも呼び出し………?)

というか、話している先生同士の机が隣だから、必然的に神納さんが僕の隣に…………………。


(て、天国―――!!!)


この時だけ、先生に感謝した。