道には何十人という数が倒れている。
一刻も早く、ここからぬけださなきゃ。
あたしは自分でもびっくりするくらい早く走った。

だけどすぐに足を止める。


…だれか、立ってる。
黒い男の影。
あたしはおもわず後退りした。

こ、こぇぇぇ。
あたし苦手なんだって。
怖いのは。
あぁ、なんで鍵忘れたの?
馬鹿だよ、あたし。

神様、お願いします。
あたしを無事に母さんの元へ行かせてください。