いつもと変わらない朝。
 「揚葉―。ご飯――」

 ぅるさいな。低血圧のあたしにとって寝起きは静かにしてほしいもの。
 穂崎揚葉 18歳。平凡女子高生。今日は二学期最初の日。

 「あぁ。飯いらな―い。愛斗と食べるから。」
 「はぁ?用意したのに・・・」

 ウダウダうるさい母さんをよそに支度をする。

「いってきま―す」

 今日もいつもと変わらない今日だと思ってた。
 あなたに会うまでは。