「先生、あたし、
御堂学院に行きたい。」
教室に少し間ができた。
「実桜、嘘でしょ?!
なんで御堂学院に!!!」
「そうだぞ、佐藤!!
商業高校なら今の成績で
十分安全圏内だ。
なのに、御堂学院って…!!」
お母さんと担任は、
目を見開いて、
目を覚ませ。と訴えているようだった。
「…御堂学院に行くのなら、
平均80近くは取らないと苦しいぞ。
それに最近倍率も高いからなあ。
1点でも落とせないな。
商業高校なら、今の成績をキープすれば
多分大丈夫だ。
それでも、御堂学院か?」
あたしは迷わず答えた。
「はい。」
「お母さん、本人は
そういう意志なんですが…」
お母さんはため息をつきながら、
「本人が言うなら、
しょうがないです。」
と、苦笑いだった。
なんか微妙な空気で、面談は終わった。
やっぱ誰も納得しないか。


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