泥だらけの王子様




――――その日の終礼――――


『さようなら-。』

学校が終わり、
みんなが次々と帰っていく。


教科書を学生鞄に詰め込んでいると、

「佐藤。
 ちょっと時間あるか?」

そう声をかけてきたのは、
遠藤だった。


「あ、大丈夫だけど…」


「じゃ、学校近くの公園で
 少し話さねぇ?」


「うん。」


さっきの御堂学院の話の続きかな。
そんな事考えながら教室をでる。


遠藤は、あたしの1歩半前を歩く。
もちろん無言だった。


しばらく歩いて、
公園についた。


ブランコで小さい女の子達が遊んでる。


その近くにあるベンチの下にエナメルを置いて、
ベンチに座った。


その隣に座るのも、なんかあれだったから
ボーッと突っ立っていると、

「座れば?」

遠藤がそう言うから、
少し距離を置いて座った。



少し沈黙が続く中、
最初にそれを破ったのは、
遠藤だった。