――――その日の終礼――――
『さようなら-。』
学校が終わり、
みんなが次々と帰っていく。
教科書を学生鞄に詰め込んでいると、
「佐藤。
ちょっと時間あるか?」
そう声をかけてきたのは、
遠藤だった。
「あ、大丈夫だけど…」
「じゃ、学校近くの公園で
少し話さねぇ?」
「うん。」
さっきの御堂学院の話の続きかな。
そんな事考えながら教室をでる。
遠藤は、あたしの1歩半前を歩く。
もちろん無言だった。
しばらく歩いて、
公園についた。
ブランコで小さい女の子達が遊んでる。
その近くにあるベンチの下にエナメルを置いて、
ベンチに座った。
その隣に座るのも、なんかあれだったから
ボーッと突っ立っていると、
「座れば?」
遠藤がそう言うから、
少し距離を置いて座った。
少し沈黙が続く中、
最初にそれを破ったのは、
遠藤だった。


![[詩集] コイノカタチ.](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.773/img/book/genre13.png)