「アリス様!時間でございますよ?早く起きてください!」

「リリイ‥着替え待ってきて…」

「はい!ただいまっ」

朝4:30。
まだあたりは薄暗いし、眠い。
また、恐怖の1週間が始まる。

私専用の召使、リリイに制服を取りに行かせ、そのうちに起き上がり髪のセットをする。
ちょっぴり癖のかかったお母様似の栗色の髪を1つに束ねた。

「よしっ」

頬をペチペチ叩いて気合を入れようと頑張ってみたけれど。
私は今日から1週間、頑張れる気がしないよ‥助けてください…(涙

「アリス様!お着替えです」

「ありがとう…」

「お手伝いいたしますか?」

「いいえ、結構よ。それより母に今いくと伝えてきてくれないかしら?」

進んで申し出てくれたリリイ。でも、もう子供じゃないから断ることにしている。
「母」という言葉を聞いた瞬間、リリイは少し気まずそうに答えた。

「かしこまりました…」

生まれた時からずっと一緒のリリイ。
私の1番の理解者でいて、とても優しい。

「そんな悲しそうな顔しないで…あなたは笑ってくれれば、それでいいから」

微笑みかけると、リリイは勢いよく返事した。

「はい!」