澄んだ声で男は言った。
「おまえも邪魔立てする気か?
 俺の相手をすると言うのなら受けて立つが。」


刀の切っ先が、すうっと私に向けられた。

私も、自分の刀を掴んだ。
あいかわらず、鈴は鳴らない。




「………あ…れ……?」


何故だろう。

何故、何故だろう?

どうして。


どうして金髪の男は、もうこんなに近くに来ているのだろう?


「っ!…」


すぐに飛び退くけど、後ろには新選組の男がいる。

逃れきれない!





左の腕に、鋭い痛みが走る。

その瞬間。大きな違和感が私を襲った。

なんとも言い表せない感覚。体が熱い。血が燃え上がる感覚。