『すみません…。思い出せないんです』 私は、くやい涙をこらえながら答える。 「いや、別にお前を攻めてはいない。」 「そうだよ!静乃が気にすることないよ?元気だして」 『平助くん…』 感謝の気持ちでいっぱいだった。 しかし、 自分が悔しい…… 記憶がない理由さへ、分からない。 混乱してきた…よ。 私は、さらに下唇を強くかんだ。 口の中は血の味がする。