大好きなんです。

正直、教室へ来ても、
《高校》って感じはしなかった。

それは、つい最近まで中学生だった生徒達だったからかもしれないし、期待しすぎていたからかもしれない。

とにかくみんな、楽しそうにおしゃべりを始めている。


そんな中、ある男子があたしにぶつかってきた。


「わ、ごめん、だいじょぶ?」

「あ、うん」

うひゃーっ、びっくりしたぁ。
背は高いけど、やっぱりまだ中学生に近いんだなぁ!

あたしは別に平気だったんだけど、
その男子生徒は、ごめんごめんとずっと謝ってきてくれた。

…ふうん、優しい人なんだなあ。

それに、そこそこかっこいい。

ま、恋したってわけじゃないけどね。


「おいっっ、だから走んのやめろっつっただろ⁉⁉」


…え?