「心愛ーっ?なにやってんの⁉
うちらのクラス、そっちにのってなかったって言ってるでしょ⁉」


春。あたしこと西崎 心愛(にしざき ここあ)は見事志望校に受かり、

中学の時からの大親友、綾取 夕凪(あやとり ゆうなぎ)と共に、校門をくぐっていた。


「にしてもさぁ…まさか、心愛が高校受験するって言ったときは、まじびびったよ。
うちらの学校ってさぁ、エスカレーター式だったじゃん?
そっりゃ受験する人がいないってわけじゃないけどさぁ…

あっちだって名門だったわけだし、べつにそこまでいい会社とか行きたい!ってわけでもないでしょ?」


ユウの言うとおりだ。

でも。

「んー…だって、新しい学校のほうが
高校生!ってカンジするでしょ?」

ユウは呆れて、

「あんたの成績じゃここ受かったの奇跡に近いけどねー」


というけれど。


今思えば、それがあたしにとっての

《運命》

ってヤツだったのかもしれない。