昼休み、遥人に借りたCDを返しに行こうと思ったら。

「芹川くん!ちょっといいかなぁ?」

なんだよ…
俺は絢にしか興味ないんだよ。
なんて言う訳にはいかねーから、

「いいよ、どこ行けばいい?」

「屋上きて!ていうか着いてきて!」

嫌だけど、ここは黙って着いていきまーす。

あ、絢だ。
遥人に返してといて貰お。

「絢、これ遥人に返しといてくれねぇ?」

「あ、分かったよ。また告白?大変だね~」

大変だね~じゃねぇよ。
お前しか見えてねぇのに。


なんでこの時絢に頼んだんだろう。
頼んでなければあんな思いも絢のあんな笑顔も泣き顔も見なくて済んだのに。