誰かッ…助けてッ……!!
そう願いながら路地裏へ入ったとき…。


…―――――ドンッ!!


「ぎゃっ」

「うをっ」



やばいっ…人にぶつかってもうたっ…。

しかも男の人ッ…!!!!
怖くて顔上げれへんーっ!!
こわいよぉおおお!!



「おい!!どこ行ったッ!?」

「やべぇ、見失った!!」

「何やってんだよお前!!」

「とりあえず探せ!!」



少し離れた所から声が聞こえる。
きっと私を探しとるんや…。

捕まったらどうしよう…。
それだけで震えが止まらへん。




「なぁ…いつまでこの態勢でいるつもり?」

「…ぅッ!!…ご、ごめんなさい!!」



下の方から声が聞こえ、思わず視線を送ると10cmほどの距離に男の人の顔。
しかもすっごい綺麗…。

自分の態勢を見てみると、私が押し倒しとるみたい!!



すぐに立ち去ろうと地面に手をついた瞬間、グイッと手首を掴まれ引っ張られた。