「何ですか?ガクさん」 「ひとつ頼みがあるんだけどさ」 「……??」 「俺には敬語やめてくれない?」 「え!?」 敬語をやめる!? 無理無理無理無理無理無理! 怖いもん!! でもガクさんは子犬のような視線で見詰めてくる。 うぅ…、そんな目反則や…。 返事に戸惑っていると、右から低い声が聞こえた。 「無理に決まってんだろ」 え!? 雅さん何か不機嫌!? 何でなん!?!?!? 「何で雅がそう言うんだよ」 私の気持ちを代弁するかのように、ガクさんが答える。