「こいつは柳沢ひろの双子の妹」 「…双子?」 「ああ」 「へえ…。そういうことか…」 わかってくれた…? 雅さんの手は、ゆっくりと上がり頭の上でぽんぽんっと優しく跳ねた。 「本気でビビッた。双子の妹なんているなんて知らなかったから」 「さっきも間違われて追いかけられてたし。ガクのせいでひな怖がってんぞ」 「…ごめんひなちゃん」 ガクさんはそう言って、私の背に合わせて腰をかがめる。 「俺は何もしないから安心して。ね?」 声の変わりに、何度も頷く。