慌てて顔を隠すけど、見られたのは確かや…。 どうしよう…。 「柳沢ひろ…だよね?」 やっぱりひろだと思われとる…。 ちゃうのに…! 怖い…!! 涙が頬を伝いそうになった瞬間、グイッと肩を引っ張られた。 「ガク、こいつは柳沢ひろじゃねえ」 ガクさんより低い声で、雅さんはそう言ってくれた。 そんなガクさんの片腕の中にスッポリとおさまってしまう。 おかげでガクさんに顔は見られずに済んどるけど…。 「じゃあ何者?そっくりだけど」 優しい口調のままだけど、何かガクさんがとてつもなく怖い…。