「で、東京で姉を探そしているときにあいつらに追われた…ってわけ?」

「はい…」

「なーんか面倒くさそうだな」

「……」




面倒くさそう、と言われると正直傷つくな…。

私だって好きでこんな所に来ているわけとちゃう。
ひろ姉を見つけたら事情を伝えて帰るつもりでいる。


ちらっと雅さんを見ると2本目の煙草に火を付けていた。




「まぁ、今日はもう遅いし危ねえ」




煙草を咥えながら立ち上がる雅さん。
ポケットに手を突っ込みながら歩いていく。

ど…、どこに行くん…?

私…どうしたらえぇんやろ…。


座り込みながら考えていると雅さんが振り返った。




「何やってんだ。ついてこい」

「……え?」

「危ないからついてこい言ってんだ」

「は…、はい!」




私は即座に立ち上がり、その広い背中を追いかけた。


私を拾ってくれた王子様の背中を――…