結局、何も言うことができないまま終ってしまった。



「あ、あの…一ノ瀬く―――




‘コスプレ喫茶ということで提出していいんですか‘

そう、問いかけようとしたとき……



「今日、実会だから。」

「……え?」

「放課後、生徒会室」




その一言だけ言い残すと

私の横を通り過ぎて、自分の席についた。

あの日から

一ノ瀬くんとは、まともな会話という会話をしていない。

べつに、話したいとかじゃないんだけれど




冷たく張り詰めた空気に流れる沈黙は

ジリジリと首を真綿で締め付けられているような気がして…―――――





…けれど



そんな憂鬱な放課後は、あっという間にやってきた。