そもそも、こんなことになったきっかけは

ほんの一時間前のこと――――・・・





「あぁ~疲れたぁっッ!!夏休み後の始業式って、いつも以上に長くなーい?」

「だよな~。俺、昨日あんま寝てないからさー」



―――…トクンッ



微かに心臓が鳴る。



‘だよな~。俺、昨日あんま寝てないからさー‘



そう、目を擦りながら眠そうに言うのは

私が2年間片思いしている、夏川くん。

‘日向‘って名前にぴったりな、明るい性格。

こんな地味な私にも、皆と同じように接してくれて




…でも

夏川くんの瞳に映るのは、私なんかじゃない。

クラスの女の子。





地味な性格な私とは、大違い。

まるで、別世界の人だから…――――