「い・・言わないで下さい・・っ」



かたかたと小刻みに震える手をおさえ

こぼれそうな涙を溜めながら、精一杯の勇気を振り絞る。



「わかった。」



あまりにも意外な発言に

俯かせていた顔を、ぱっと上にあげる。




「あっ…ありが…

「ただし、条件付で。」



条件…?

条件・・って・・






「俺の言うこと、絶対命令な。」





ゼ・・ッタイメイレイ?

絶 対 命 令 ?

ぜ・・絶対命令!?


「そ・・そんなぁ・・っ」

はっと口を押さえたときにはもう遅く

一ノ瀬くんの眉間に、しわがよる。

苛立ったかのように首を2,3回ポキポキっと鳴らしたかと思うと、はーっとため息をついて。




「……ばらしてほしくないんだろ?」




ば・・ばらしてほしくないけど・・っ

ぜ、絶対命令とかはまた別の話しで…―――





17年間、平穏に過ごしてきたつもりなのに

なぜ私に、試練を下すのですか―――――?