自慢じゃないけど、俺は国語の教科で90点以下をとったことがない

内心ウキウキしながら顔には出さず、テスト用紙をもらいに行く

「はい、もう一回拍手」
先生の声でみんな浮かない顔でだるい拍手をする

しかし、一人だけ偽りのない笑顔で一生懸命拍手をしてくれる女の子がいた

瑠華だ

その一生懸命さに少し照れる
照れながら席へ戻り、座るとみんなのだるい拍手は消えた

「京也君、すごいね!私、国語苦手だからすごいなって思うの」
目を輝かせながらテスト用紙を覗く

「ありがと」
少し照れ臭いのと、うれしいので声が裏返った
すごく恥ずかしいんだけど・・・

「あはっ。少し照れてる?」
キラキラした笑顔で挑発する

「ちょっとね」
苦笑いをしておこう
今更嘘ついてもね・・・

「今度さ、国語のテスト前になったら教えてよ」

突然の誘いに3秒間固まったけど、冗談だと思ったから
「まぁ、いいよ」
と返事した

瑠華は喜びながら、テストをもらいに行く

俺はこの一言が運命を変えていたなんて、思いもしなかった