すると、キッチンから―――。 「あの、名前を聞いてもいいですか?」 「はぁ?」 ―――――そういや、名乗って無かったっけ? つーか、名前も知らないような男の家に着いて来ちゃダメだろ? まぁ、俺が強引に連れて来たんだが。 「諒、…速水 諒。2年だ」 「やっぱり先輩でしたか…」 「先輩?」 「はい。久世先輩の親友だって…」 「あ―――そうだな。つーか、マジで俺の名前知らねぇの?」 「はい」 女は不思議そうな顔で頷く。