俺は思い出していた。 目を開けたら、30センチくらいまでに近づいた女の顔。 色白でぷっくりした唇。 眼鏡の奥の瞳は…凄くキレイだった。 凄く澄んでて…思わずドキッとした。 俺は気を落ち着かせ、女の姿を探した。 すると、昨日と同じ医学書コーナーにいた。 俺は本棚の陰からこっそり、女を観察することにした。 女は目あての本があるらしく… 背表紙のタイトルを見て探している。 手に取っては戻し、また手に取っては戻し。 俺は棚に寄りかかり、暫く待つことにした。