「本当に大丈夫ですか?お薬貰って来ましょうか?」
「いや、大丈夫。もう平気だから…」
俺は顔の前で手を振り、平気だとジェスチャーした。
「でしたら、いいのですが…」
彼女は苦笑しながら部屋の奥へと歩いて行った。
はぁ――――ビビったぁ。
急に現れるんだもんなぁ。
ってか、ドアが開いた音したか?
それに足音も聞こえなかったぞ?
俺が夢中でブツブツ言ってたから聞こえなかったのか?
俺は胸に手を当ててみた。
異常なほど早い鼓動。
未だかつてこんなにドキドキしたことは無い。
何なんだ……あの女………。
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