通りの向こう側にあるパン屋のメニューボードに 縋り付くような形で蹲る彼女を発見した。 「風果ッ!!」 俺は慌てて道路を横断し、彼女のもとへ。 「風果!?大丈夫か?!」 「……せっ……輩…」 風果が蒼白い顔で額に薄ら汗を滲ませていた。 「痛むのか?」 「……少し」 「少しじゃねぇだろ!!」 額の汗が尋常じゃ無いことを知らせている。 俺は彼女を抱きかかえようと背中に手を当てると、 「痛ッ!!」 「えっ?!」 彼女は苦痛で顔を歪ませた。