「ごめん……気付かなくて…」 「……」 彼女は頭を左右に振って…。 「とりあえず、夕食は置いておくから良くなったら食えよ?」 「……はい、すみません」 布団の中からくぐもった声が聞こえて来る。 「じゃあ、俺帰るから、辛くなったら連絡しろ?姉貴か母さんを寄こすから」 「……すみません」 「じゃあ、温かくしてゆっくり休め」 俺は彼女の頭を優しく撫でて、 そっと軽いキスを落とした。 「おやすみ」 彼女の鍵を手にして部屋を後にし、 鍵をかけ、新聞受けから鍵を入れた。