学園から帰宅し、着替えを済ませ、
いつも通り夕食を持って風果の家へ。
彼女に俺の体質を打ち明け、想いを伝えた日。
俺は生まれて初めて本当のキスをした。
彼女の唇は柔らかくて…
人々が皆、キスをしたがる気持ちを初めて知った。
あれは……ヤバい。
病みつきになる。
ほんの少し触れただけなのに離れ難く、
欲張りにも『もっと』と思ってしまった。
俺は初めて、自分の中の“男”というものを実感した。
今まで抱きしめる事は幾度とあったが
比べものにならないほどドキドキした。
やっぱり『キス』は特別のモノなんだと思う。
お陰で風果をより愛おしく思えるようになった。