「先輩、もう起きていいですよ?」 「……」 えっ?!……バレてたのか? 彼女は俺の手を握りしめたまま。 俺は……。 「…心地良くてつい寝てしまったようだな」 上体を起こし、彼女を見据えた。 無言のまま、視線が絡み合う。 それはとても自然で、 緊張していいハズなのに 何故か、心が落ち着いて癒された。 彼女の表情がふっと和らいで…。 俺は、『今』しかないと…。 「風果」 「……はい」 「大事な話がある」 彼女が見つめる中、 俺は彼女の手をギュッと握りしめ、