彼女は俺を座らせ、手際よく 冷やしタオルを持って来た。 「先輩……ごめんなさい…」 彼女は涙を浮かべ、 タオルを差し出す手が震えていた。 俺はそんな彼女の差す出すタオルを 受取るフリをして……。 「キャッ!!」 彼女の手ごと掴んで手繰り寄せた。 「泣くな」 「……うっ…」 「だから泣くなって」 「うっ……ぅぅっ…」 「まるで、俺が泣かせたみたいじゃねぇか…」 「うっ……せ、先輩のせいですよ~」 「はぁ?」 意味が分からず、 両手で彼女の肩をガシッと掴んだ。