無言でお茶を用意する彼女の背後から
母親から預かった果物とゼリーを
そっとキッチン台に置いた。
「ん、コレ…母さんから」
「えっ……すみません……」
彼女は俺の方に振り返り、深々頭を下げた。
「別にお礼はいらねぇよ」
「いえ、お礼は勿論なんですけど…」
「ん?」
何だか含みのある言い方が気になる。
「どう言う意味?」
俺の問いに顔を歪めて……
再び深々頭を下げた。
「おいおい、熱でもあんのか?」
「いえ……嘘なんです……」
「ん?……嘘?」
彼女は一瞬顔を上げたが、
俺と視線が絡むと、再び俯いてしまった。
「おいおい……」



