彼女をソファに座らせ、俺はベッドに腰掛けた。
部屋に来たはいいが、何をしたらいいのか分からない。
ってか、彬以外入れた事ねぇし。
話し掛ける言葉も思い浮かばず、沈黙が続く。
すると、突然彼女が口を開いた。
「あの、突然お邪魔して良かったんでしょうか?ご迷惑では?」
「俺の方こそ、無理やり姉貴に連れて来られて迷惑だろ?」
「そんなことないです」
「母さんまでテンション高くて嫌じゃねぇの?」
「とんでもない!!優しい方々ですし、羨ましいです。私は…いつも…1人なので…」
段々と小声になり、俯いてしまった。
たった1人の身内が施設に入って…1人暮らし。
俺が思っている以上に寂しいのかもしれない。



