「教えてやろうか?」
「えっ!?いいんですか!?」
「あぁ、別に構わねぇよ」
「キャァ―――!!嬉しいです!!」
またもやピョンピョン飛び跳ねて…
コイツって無表情じゃ無かったっけ?
ってか、俺の目の前で無表情な所…あまり見た事がねぇ気がする。
「じゃあ、早速いいですか?」
「あぁ。持って来い」
彼女はカウンターへ鞄を取りに。
彬の言う通り、別にコレといって話し掛けなくても大丈夫なもんなんだな。
さっきまで俺、すげぇ緊張してたのに。
「先輩、生物でも大丈夫ですか?」
「苦手なのか?」
「……はい」
「いいよ、教えてやる」
「ありがとうございます」
彼女は満面の笑みを向けて来た。
それを俺は……もれなく……拾って…。
尋常でない程に暴れ出す心臓。
大きく脈を打ち始め、ペンを握る手が震え始めた。



