Wデート当日。
緊張のあまり早くに目覚めてしまった。
はぁ…情けねぇ、俺。
何故か…彬の親父から聞いたらしく、ハイテンションの両親と姉貴。
まるで『今日、プロポーズして来るんだよな!?』と
言わんばかりに目をギラギラさせて。
俺は玄関で靴を履きながら、背中に刺さる視線で火傷しそうだ。
「じゃあ、行って来る」
「頑張ってモノにして来なさいよ?力尽くでもいいから」
「彼女にう~んとアピールして来い!絶対惚れさせるんだぞ?」
「諒!!女の子は押しに弱いから、少しくらい強引な方がいいんだからね?」
一体、俺の家族は何語を話してるんだろうか?
公に口に出してはイケナイこと言ってないか?
高校生のデート如きに武士が戦に出陣するかのような熱い声援。
……重い………重すぎる。
はぁ―――。
俺は大きくため息をして、彬の家に向かった。



