姿を現した部屋は12畳くらいの広さで、古ぼけた本棚とセミダブルくらいのベットがあるだけ。壁中には均等にロウソクがぶら下がっている。




そして目の前には、黒いマントを付けた美男子。






「遅刻だ。」



「……ごめんなさい。いろいろありまして…。」

とりあえず頭の整理ができていない私はおもわずそう返した。

いかにも不機嫌そうに私をにらむ男性。
ロウソクのやわらかな灯りが彼の顔を照らす。
髪は光の加減で少し紫色に見える。瞳はするどく、吸い込まれそうになるほど綺麗な紅い色。


「…まぁいい。今回は許してやる。」



いかにも上から目線…。
確かに身長は、私を見下ろしてしまうほど彼のほうが高いけど……









いきなり初対面で、それはないんじゃないの!?






「すいませんけど。私あなたと会うのは初めてですよね!?約束もしてないのに、いきなりその態度はないんじゃないですか!?」



おもいっきり彼の下からにらみかえす私。


だって私の夢だもの!怖い物なんてない!!





はず………