噂って瞬く間に
広まるものですね


「ひなたくん。なんで昨日の今日でこんなに広まってるのですか?」



あたしは一人で焦る
ひなたくんは寝起きなのか
目がうとうとしている

日向くんの指が
あたしの頬をふれた

「葵〜敬語やめてよ〜」

まったく答えになってません。

「日向くんあたしは怒ってます!」

あたしだって怒る
怒ってないけど、
いつも日向くんだけ
余裕で嫌だから、




「葵〜敬語やめてあと、日向くんじゃなく日向だから、ひなた!」

日向くんはあたしの髪を
くるくるしながら
喋る
なんかくすぐったいな


「日向くん!」


「敬語とくん呼びやめなきゃ答えないよ」


日向くんは
あたしの髪を口に引き寄せた

その仕草が
妙にどきっとする。


「わかりました呼びますよ!ひなた!」
あたしは頑張って呼んだのに
ひなたくんはくすくす笑う


「なんなんですか!呼びましたよ!」


「敬語直ってない!」