それから数日間
私は陸上部の練習を見に行かなくなった



これ以上先輩を好きでいられない



違う



これ以上先輩を好きになっちゃいけないって


思っちゃうんだ....


あれだけ彼女さんが好きなんだから
私の恋が叶う確率は0と等しい



「仕方...ないか....」



自分に言い聞かせ今日もすぐに家路につく


3年生の教室の前を通りかかると、複数の話し声が聞こえた



「...っで!あいつ、本当につまんないんだよねー!!」

「まじでぇ!?だって、莉菜の彼氏すっごいイケメンじゃん!
なんて言ったっけ.....






あ、岸川くんだっけ??」









え......._____?



今、なんて.....







「だめだめ。顔が良いからオッケーしちゃったけど、やっぱ奥手すぎる男ってつまんなすぎて萎えるから!!」

「うっわ、莉菜きっつー!」

「じゃぁ、今晩合コンあるから行くー?」

「まじ!?行く行く~♪」




きゃあきゃあと騒ぎながら教室を出て行く先輩達





あの人   



















岸川先輩の彼女さんだ.....