「そう...なんですか」
「翔子ちゃんは?好きな人とかいないの?」
私の好きな人.....
私の好きな人は
目の前にいるんですよ...____?
「....っ、いませんよ、好きな人なんて!」
必死に笑顔を作り
嘘をついた
「そうなんだ。珍しいね、今どきの女子高生は全員恋してると思ってた」
「は、はは..」
もうだめ
泣きそう.....
そう思ったのと同時に予鈴のチャイムが鳴った
「あ、もうこんな時間か。じゃぁまたね!」
手を軽く挙げ、その場を去っていく先輩の後ろ姿を見つめていた自分
「........好きです」
小さく呟いた告白が届くはずもなく
むなしく消えた


