「音色、ごめんな」 「何でっ、兄ちゃんが謝んのっ。」 「守れなくて、ごめん。」 「謝んないでよ。」 久しぶりに会ったお兄ちゃんはやっぱり優しくて、額に傷があった。 前髪が風に揺らされる度に痛々しい傷が見える。 その傷はあたしの所為。 謝んなきゃいけないのはあたしなのに。 「音色は何も悪くないよ。」 お兄ちゃんが謝らせてくれない。