「オレは有岡 ノエルだ。よろしくなっ!
「はいっ」
「えーっと…」
「えっと、あたしは花澤 そらです」
「おしっ、そらな、そら」
自己紹介をするとテーブル越しに、ガシッと手を握られる。
しかも両手を上下にブンブン振るもんだから、若干痛い。
「ノエル、そらが痛がってる」
「え?こんぐらい痛くねぇだろ?」
絶対痛くない、と思っているだろう表情に対して否定できない。
「痛くないですよ」
「ほらみろ!」
「そら。正直に言え。こいつ馬鹿だからちゃんと言わねぇと分かんねぇんだよ」
「馬鹿って言う方が馬鹿なんだぞ!」
小学生がしていそうな会話に、つい笑ってしまいそうになる。


