「何がいっかなー」


鼻歌が聞こえてきてもおかしくないくらいの明るさで、店内を見てまわるヒナ。


「あ、見てみてそら」


手をぶんぶん振って手招きをするヒナに駆け寄る。


「これ、可愛くない?」


指さした先にあるものは、キラキラと光っている。


ハート、星、傘、りぼん、苺、りんご、桜…。



ーーー“ひまわり”、“太陽”。


「ね?可愛くない?」
「可愛い、ブローチ?」


手のひらに収まる、小さなブローチ。

それぞれの型に埋め込まれた色とりどりのストーンがきらきら輝いている。


「それにするのか?」
「うん」


いつの間にか後ろにいた源さんに、ヒナが元気いっぱいで返事をする。