「それ残り二つだから、運が良かったね」


残り、二つ…。


もう一つを、ヒカルに持ってもらいたいなんて、あたしは本当にアホかもしれない。


「残り二つなの?じゃあおそろいで買おっ」


ヒナが嬉しそうに言う。


「そりゃ無理だ」


即座に言い切った源さんをヒナが静かに睨む。


「何でよ」
「もう予約がはいってんだよ」
「そうなぁ」


肩を落としてうなだれるヒナを、追い討ちをかけるように、「残念だったな」とおもしろそうに笑う源さんを、またヒナは睨んだ。


「まぁまぁ、何かほかのでおそろいにしよう?」
「……そうだね♪」


あたしの一言でパァッと笑顔になった。


コロコロ表情が変わるヒナは本当に可愛い。

「単純だなぁ」と源さんが笑ったけどヒナは完璧スルーしたっぽい。