ひまわり。



「そら、ひまわり好きなの?」


ひまわりの写真たてから目を離さないあたしを見て思ったのかな。


「うん、大好き」
「へぇ…、ちょっとイメージと違うなぁ」
「…え」
「そらは桜みたいな落ち着いた感じのイメージだったから」


にこっと笑って言うヒナの言葉に、ほんの少し胸が痛んだ。


『あたし、ひまわりみたいになりたいんだぁ』
『なんで』



ひまわりは、太陽の方を向いて成長していく。

ヒカルは太陽みたいで……。



ひまわりみたいになりたい、と言ったときの事を鮮明に覚えてはいない。

けど、あの会話だけは覚えてた。


「………」
「そら?どした?」
「ぁ…、ごめん、ボーッとしちゃった」


ヒナにヘヘッと笑って、もう一度写真たてをみる。


写真たてがやけに、キラキラして見える。