帰る準備をしている私のところに、完璧に帰る準備をしたヒナが私の机に手を置いてにこにこしてる。
「そっ、繁華街♪」
「何でまた繁華街?」
「んー、ちょっと連れて行きたい居場所があって」
「?」
「ま、いーじゃん、いーじゃん!放課後デートしよ!!けってーいっ!!」
「ちょっ」
私の制止も無視して、ピューっと教室を出て行った。
「大変だな、お前も…」
隣の席からなだめるかのように言う晴くんに苦笑いする。
「全然っ、むしろ楽しいよ」
これは本心。
ヒナは見かけによらず、元気いっぱいで一緒にいればすごく楽しい。
だから、今から行く繁華街もすごく楽しみ。
「そっか、楽しんで来いよ」
「うん、また明日ね」
「おー」
スクールバックを肩にかけて、下駄箱で待っているだろうヒナの所に行くために私は小走りで教室を出た。


