振り返ったまま、どんどん小さくなっていくヒカルの背中を見ながら、だだただ呆然と立ちすくんでいた。




ぼうっと立っていると、玄関ががチャッと開いた。


「ソラっ!なにしてるの!?早く行きなさい!!入学式早々遅刻するき!?」


玄関から出てきたママの声が、遠くで聞こえる。すぐ近くなのに。


あたしはヒカルしか見えてなかった。


ヒカルの背中が完全に見えなくなってから、あたしはなにかに引き寄せられるかのように自分の中学校へと足を進めた。



どうやって、学校へ通ったかなんて覚えていない。


ただひたすら歩いた。

何を考えても「どうして」、それしか出てこないから。