すごく、かっこいいね。
かっこよく、セットされてる。
前の髪型も、今の髪型もあたし好きだよ。
優しいヒカルが大好き。
意地悪っぽいけど優しいもん。
「わかんないよ、なんの、冗談」
「冗談じゃない」
足が震える。
足に力がはいんない。
なにも言えずにいると、ヒカルが歩き始めた。
あたしが通う中学校とは、反対方向に。
どうしよう。
ひきとめたい。
とめたいのに、体が金縛りにあったように動かない。
ヒカル。
頭の中で名前を叫んだと同時に、あたしの横を通りすぎようとしたヒカルが足をとめた。
ヒカル?
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「…ヒカ」
「…ソラ」
「……」
「もう…」
「……?」
「俺に関わんな」
そう言い残して、ヒカルは歩きだした。


