――どうして。
「ヒカル、なんで、…なんでそんな格好してるの?」
「……」
声が、震える。
嫌な予感がして、たまらない。
「ま、間違えた、とか?ドジだねぇ」
「……」
必死で笑う。
嫌だ、いやだいやだ。
なにかの間違いだよ。
あたしの勘違いだよ。
「早く着替えてくなよ。遅刻しちゃうよー」
「……」
「そうだな」って、笑って。優しい笑顔で。一緒に学校行こうよ。――ヒカル。
そんな冷たい目、しないで。
「ヒカ「行かねーよ」
やだ。
「ヒカル」
「俺は、お前と同じ学校にはいかねぇ」
「……」
「みりゃわかんだろ」
知らない。こんなヒカル知らない。
目の前が、色とりどりの世界が、視界が、白黒に変わる。
あぁ、ヒカルの格好しか見てなかったけど、髪型も違うね。
今、白黒だから色はわかんないけど、違う気がする。


