急ぎぎみに外に出るヒカルを、慌てて追いかける。


早歩きで雪道を進んでいく。

ふと下を見ると、雪が少しだけ退かされていて、歩きやすくなってるのがわかる。

歩きやすくなっている道は、何度も人が通ったみたいになっていて…。


あれ?もしかして…。


「ねぇ、ヒカル?」
「ん?」
「もしかして、外にいたのって歩きやすいように道、造ってたから…、とか?」
「…」
「…」
「…ちげーよ」
「そ、そっか」


勘違いでちょっと恥ずかしくなってうつむく。


じゃあ今の間はなんだったんだろ、とかボケッと考えていると、消えてしまいそうなほど小さな声でヒカルが呟く。