「いたい~。冷たい…」


ウェアを着てるから身体は大丈夫だけど、顔が…。

唸りながら、のろのろ起き上がる。


「なにやってんだよ」


ヒカルはため息混じりに言うと、ボードを置いて手を伸ばしてくれる。


「ありがとぉ」


自分でもわかるくらい、ふにゃっと笑って、ヒカルの手に自分の手を重ねる。

引っ張ってもらって立ち上がると、頭についた雪をはらってくれる。


ほんと、優しいなぁ。


冷たそうに見えるけど、実際はすごく優しい。

そんなヒカルが、あたしは大好き。

自然と緩んだあたしの顔を見て、怪訝な顔をするヒカル。


「何ニヤついてんだ?」
「微笑んでるって言ってよ」
「どう見てもニヤついてるだろ」