ヒカルの特訓のおかげで1時間後にはちゃんと滑れるようになったあたしは頂上から何度も滑っていた。


あれからリフトに慣れることは結局なく、リフトから降りたあとはぐったりしていたけど、滑るのは楽しいという感じで、ぐったりしてははしゃいでの繰り返しだった。





思う存分滑ったあたしたちは、スキー場に向かうときと同じ状態でヒカルの別荘に帰っていた。


「楽しかったー」
「あぁ」
「滑れるようにもなったし♪」
「おれの特訓のおかげだろ」
「う、ん。その、ありがとう」
「おー。やっぱりそこそこ運動神経いいんだよな」
「だーから、そこそこは余計なんだって!」


フンッと横を向いて歩いていると雪に躓き、思いっきり前に倒れる。


「ぶっ」


地面が雪に覆われてるといってもやっぱり地面は地面なわけで、顔が痛い。

しかも冷たいし。