動きだすときの方が揺れが強くてぐっとヒカルに近づくと、あたしの足についているボードが当たったらしく、いてぇよ、と軽く睨まれた。


そのあとは風で多少揺れることはあったけど、停まることなく、無事中間地点まで着いた。


「なんか疲れた…」
「お前なぁ、そんなんじゃ頂上行くときどーすんだ?」
「ちょ、頂上行くときには慣れるよ!」
「…」
「…たぶん」
「ま、リフトより滑れるかどうかだな」
「滑れるってば!!」
「真っ直ぐ滑るだけじゃ、滑ってるとは言わねーよ」
「うー」
「スパルタで教えてやるよ」
「優しくー」


たぶんヒカルは厳しい感じで言ってるけど、絶対優しいはず。



その予感は見事的中し、すごく丁寧にヒカルは教えてくれた。